君のことが好きだ、大好きだ

私の担当は大銀河宇宙No.1アイドルです

どうしても幸せになってほしいから

 

 

2019年1月17日。

 

それは、私のオタク人生の中で最も辛かった日かもしれない。

この日から感じた、忘れたくない忘れるべきでない様々な想いを、今後のためにもしっかりと残しておこうと思う。

 

 

私のオタク人生はそろそろ私の半生に及び、その中でもSnow Manを応援している時間がそろそろそのオタク人生の過半数を占めるにまできた。その決して特別長くはないけれど、ありとあらゆるものを費やしてきた濃い時間は、辛いこともあれど総じて本当に幸せだった。

 

特に直近の2018年は、横浜アリーナでの初単独コンサートに始まり、YouTubeの配信もスタート、歌舞伎は2会場で上演、その合間には映画の舞台挨拶で全国をまわり、夏には約1週間単独ライブ、秋には少年たちで4度目の主演、そしてそれから冬にかけてはそれぞれ個別に舞台やドラマなど外部のフィールドで大活躍。カウコンの東京ドームのステージに堂々と立つ6人の姿は眩しくて仕方がなかった。

翌年春には、殿が引退し『滝沢歌舞伎ZERO』の継承・単独主演も決まり、とにかく非常に濃く、充実していて、これからの可能性に胸が踊らないはずがない1年だった。

 

 

2019年1月16日、YouTubeの更新日である水曜の晩、いつものように仕事終わりにまず1回視聴、就寝前にもまた見返しては爆笑し、満たされた状態で眠りについた。本当にいつも通りだった。

 

日付が変わった午前2時頃、事に気づいた。隣で眠っているはずの妹のすすり泣きが聞こえ、何事かと思って飛び起きた。訳を聞くと、涙ながらのか細い声で発せられたのは「Snow Manが9人になるんだって…」という衝撃の一言だった。

 

「…何を言ってるかわからないんだけど…???」

 

これが一番初めの率直な感想だった。スマホを確認すると友人からのLINE、TLを確認すると悲嘆に満ちたつぶやきと、増員を知らせるニュース記事。どうやら本当なようだった。ふと思い返してみると、確かに前年の秋頃からまことしやかにそのような噂が囁かれてはいたが、あくまでも噂、そしてそうするメリットが全くないと思っていたため、どうせデタラメだろうとほとんど気にも留めていなかった。

 

 

それから状況を噛み砕いていってしばらく経った頃に湧いてきた感情は、「応援する力が足りなくてごめんね」だった。

あんなにグループを、6人を大切に、6人であることを大切にしてきた彼らが、まさか増員をするだなんてと信じられなかった。とすれば、これは事務所側から「6人じゃダメだ」と言われた以外他ならない、そう思ったのだ。

 

あんなに頑張ってきたのに、これからって時だったのに、きっと仕事が忙しいことを言い訳にしてYouTubeの再生回数を伸ばすことができなかったからだ、とか、雑誌や番組への感想送付を怠ったからだ、とか。とにかく悔やむことしかできなかった。

あんなに彼らの成功を願っていたのに、自分がその足を引っ張ってしまった、可能性を潰してしまったのだと罪悪感と絶望に押し潰されそうだった。 

 

気づけば時刻は4時をまわり、寝たらまず寝坊するだろうし、その前に眠れるわけもなく、でもまだ木曜日だから会社には行かなければならず、仕方なく寝ずに始発で出勤することにした。化粧はすれど表情は死んでいて、マスクで繕った。

ほとんど睡眠もとれておらず眠いはずなのに、いつもは爆睡している電車でも寝ることはなく、寝ていないのにボーッとしすぎて乗り過ごし、あまり働いていない頭でも「ヤバイ」ということだけはよくわかった。佐久間くんが帝劇で足を怪我したあの時の感覚と状況に似ている部分もあった。

 

会社に着いても死んだ目で、ほぼ脳死状態で仕事を進め、昼休みにはおにぎり1つもまともに食べれず、泣きながら友人とずっと電話をしていた。

もはや感情をどこに向けたら良いかわからず、「こういう事態を避けるために引退したんじゃなかったのか??」と殿を恨むことさえした。そしてたった1日にして、奇しくも炎上するような形でトレンド入りを果たし、「Snow Man」という名前は知れ渡った。

 

 

それからは、毎朝起きては「夢ならばどれほどよかったでしょう」と米津玄師のLemonが頭を過る日々だったが、虚しくもそれは紛れもない現実であり、覆しようがなかった。それならばと、どうしてこうなったのか、何が原因なのか、これからどうなるのかということの考察に入った。

 

まず何がこんなに嫌なのか。

6人じゃなくなること?加入する3人が嫌い?雰囲気が変わってしまうこと?パフォーマンスのレベルが下がるだろうから?どれも当てはまる(※加入する3人が嫌いとは思ってない)が、それが理由の根幹ではなかった。

もちろん、6人のあの高クオリティのダンスやアクロバット、同世代ならではのMC、阿吽の呼吸、全体的な空気感やバランス、それらに新しいものが入ってくることへの抵抗はあった。でも何よりきっと嫌だったのは、これまでの努力を蔑ろにされたような気がしたからだのだと思う。

「足りない」と言われ続け、その足りないものをずっと追いかけて努力し続けてきたのに、それが6人では生み出せないものだったなんてと、あんなに愚直に努力して長年辛い思いをしてきたのに、まだ試練を与えられるのかという憤りももちろんあった。さらには、どうしてもこれが売れるための策だとは思えず、「なんで」という疑問もあった。

 

ならば、どうしてこうなったのか。

新聞などの記事を読むには、どうやら事務所側の発案のようだった。まぁ十中八九そうだろう。少し前のLove-tuneの一件もあった通り、おそらく現在の事務所内には確実に何かがあり、もしかするとその一環でこれは何かしらの陰謀により企てられたものかもしれない。そんなものは憶測かもしれないが、売るためにせよ陥れるためにせよ、Snow Manに対して何らかの大きな力が働いたことだけは事実である。

しかしこの段階ではその力のベクトルがどこを向いているかはわからなかった。ならば何もこの時点では判断できないし、無駄に騒ぎ立てることは逆効果だと、グッと飲み込んだ。

 

今どうなっているのかも、これからどうなっていくのかも現時点は何もわからない。信じられるのは大好きなSnow Manしかいない、Snow Manの味方でいるしかない、そう思った。

 

 

 

そして4日後の1月21日月曜日、すの日常渡辺の更新。

あの翔太が「みんなのことが大好き」と綴っていた。そして「人生には右か左しかない」とも。

あの翔太が「大好き」と発するなんて相当のことであり、これまで幾多の試練をいろんなやり方で工夫して工夫して乗り越えて、柔軟な思考と確かな技術で道を切り拓いてきたあの6人が、「2択しかない」なんてありえない。ここである程度を悟り、かなり腑に落ちた部分があった。その後の他のメンバーの更新でもそうである。

 

これは後日談になるが、TVガイドのインタビューや、その他各種雑誌の記事におけるこの増員に対する本人たちのコメントから推察するに、それがポジネガどちらによるものかはわからないものの、「そうするしかなかった」ということが読み取れた。

だからこそ誰一人として「悲しませてごめんね」と言わなかったのだ。ファンが悲しむであろうことくらいきっとわかっているし、優しい彼らだからそこに心を痛めていただろうが、あえてそれを言わなかったのはそれ相応の葛藤の末の熱く堅い決意があったからではなかろうか。 

もちろん誰よりも「6人」を大切にして、「6人」であることに最も拘っていたのは紛れもなく彼ら自身だろう。しかし、それと同時に「自分以外の5人」のことを誰より大切にしていたのも彼ら自身なのではないだろうか。とすると、それらを天秤にかけざるを得ない状況に置かれた時に、「6人が欠けることなく生き残る」ということを選択したのだろうと、私は思う。

 

 

 

その決意と覚悟を目の当たりにしたのが、2019年2月3日、『滝沢歌舞伎ZERO』京都南座公演初日。

発表された当初はあんなにも楽しみにしていたのに、まさかこんな複雑な気持ちと重い足取りで臨むことになるなんて、一体誰が想像しただろう。そんなことを考えながら客席で開演を待っていた。

 

開演後、まず目に飛び込んできたのは鮮やかなピンク色の衣装を纏った大好きな彼らと、大量の桜吹雪。あの滝沢歌舞伎のステージの中心で美しく堂々と舞う姿は、本当に本当に美しかった。そして何よりも気迫が凄まじく、それは怖いくらいで、増員が…などと考える暇を与えられないくらいに次から次へと演目が移り変わり、魅了され続けていった。行動で示すとはまさにこのことで、彼らの目を見れば、全部がわかったような、そんな気がした。

そしてあの滝沢歌舞伎を「継ぐ」とはどういうことなのかを身を以て実感し、全身全霊でぶつかってくる彼らにただただ圧倒されて、この上なく誇らしく感じて、気がつけばずっと泣いていた。

覚悟を決めた男の顔は、本当に本当に美しかった。

 

 

それからというもの、少し気持ちは晴れたものの何となくモヤモヤする部分はあり、とはいえ9人の姿を直接見ているわけではないので「今ひとつ実感が湧いていない」というのが正直なところだった。

南座公演でも重要な役回りは全て6人にあてられ、「継承」されたのは、殿がパンフで語った「この作品のことを最も理解している人材」は紛れもなくこの「6人」なのだと突きつけられているようで、どこか安心している自分がいた。

ROTでは6人から9人(8人)への変遷がまとめられていたが、そこには厳しくも愛ある大好きなSnow Manがいて、逆に見れば見るほど6人が核になっているということを、また突きつけられるようだった。

 

でも増員後のYouTubeは何となく見る気になれず、これまで毎日のように見ていたものが、各更新1回しか視聴しないようになった。

増員メンバーに関しては、拒絶はしないが特に干渉しないスタイルをとっていた。拒絶して貶す人もたくさんいて、その気持ちも痛いほどわかったが、そうすることでかえって6人を苦しめることがわかっていたから何も言えなかった。

 

ただあえてここで正直に言うと、申し訳ないけどまだどうしてもお客さんにしか見えないし、6人がすごく気を遣っているのも見ていて少し苦しいものがあった。

約1名に関してはあのブログで印象が180度変わり、未だに引っかかるものはある。*1その彼も含め、もちろん新しい風になるべく加入した以上100%染まる必要はどこにもないが、輪を乱すようなことも若干見受けられ、そこだけは受け入れ難かった。

そんなこんなで去年はあんなに嬉しくて楽しくて幸せだった横浜アリーナ単独公演が、今ひとつ楽しみじゃなかった。そんな風に思っている自分が嫌だった。

 

 

来たる2019年3月24・25日、『Snow Man LIVE 2019〜雪Man in the Show〜』。すなわち新体制初お披露目。

やはりまた重い足取りで会場に向かう情けない自分がいた。

 

緊張しながら開演を待ち、1曲目に聞こえてきた曲は、Snow Man初めてのオリジナル曲である『ZIG ZAG LOVE』だった。もちろん覚悟はしていたけど、やはり目の当たりにするとしんどいものがあった。心が死ぬってこういうことかと思ったが、佐久間くんの銀髪(超絶かっこいい)でちょっとだけ気持ちが和らいだ。

 

その後もほぼ全曲レベルで過去のオリジナル曲は歌われていった。なんかもう人数が多い。それしか感想が出てこなかった。

でもソロパートの歌割りは変えることなく、人数が入った6GSも歌っていて*2、すごくすごく配慮されていた。その分新しくやる曲などには3人のパートがしっかりと設けられていたり、それぞれのバッグボーンにあるようなジャンルからの選曲で、3人はもちろんそのファンにまでしっかりと配慮されていた。

セトリや構成に違和感こそあれど、それは紛れもなくだいすきな「優しいSnow Man」が作ったコンサートだった。

 

そしてラストの新曲『朝焼けの花』。紛れもない「9人」の決意を歌った曲。

まず、Snow Manって怖いなぁと思った。『Snow Dream』に3人の名前も入れて欲しいなんていう意見もあったが*3、あれは「6人」の決意を歌った曲で、9人で歌う義理も、3人がそれを背負う必要もどこにもなく、それは当たり前のことだった。

でもきちんと2番までメディアで披露して、何にも侵食されない形にして、かつ即座に9人の決意を歌った曲を作ることによって、結果的に『Snow Dream』を封印したことになっている。意図したかどうかはわからないが、完璧すぎてむしろ怖いなと思うと同時に、これだけはどうしても守りたかったのですごく嬉しかった。

 

肝心の『朝焼けの花』はというと、『Snow Dream』に負けず劣らず切なくて、そしてアンサーソング的な役割も担っていた。

 

言葉では伝えきれない思いもあったけれど

「全てはこのためだった」と言える景色へと

大切な人達の支えを 約束を連れて行くよ

そしていつか必ず幸せの涙を…

 

きっと彼らはこの一件でたくさんの悲しみの涙が流れたことを知っていて、そしてあの涙で滲みながらも果たすと誓ってくれた「約束」を忘れてなんかいなくて、全部全部抱えて進んでいくことをまた新たに誓ってくれたのだと、そう思った。それでいてそのパートは3人にはあてなかったように、それを3人には背負わせない彼らの優しさがあって。

どこまで真面目でなんて義理堅くてかっこいい人たちなんだろうかと、また惚れ直した。それと同時に、この若さでどうしてこんな十字架を背負ってしまっているのだろうか、背負わせてしまっているのは私たちなんじゃなかろうかと、申し訳なく、苦しい気持ちにもなった。

だからこそ、この時に湧いた感情はただ一つ、「どうしてもこの人たちに幸せになってほしい」だった。

 

 

そうして新体制の初お披露目を終えたわけだったが、翌日からものすごい疲労感とモヤモヤに襲われた。

その理由のまず1つは、3/25公演で半ば我を押し殺すような形で盛り上げたからだろう。生配信、来賓がたくさん…そうなったら盛り上げる以外選択肢はなく、普段はそこまで出さない声を出したり、一生懸命ペンライトを振ったり。

もちろん楽しくないわけはなかったが、確実に1年前のそれとは異なり、大なり小なり無理していた部分があったらしい。自分でも気づかないくらいだったが、1.2日経ったところで「これは心を欺いた代償」であったことに気づいた。

 

そしてモヤモヤの原因はよくよく考えると2つあった。

 

まず1つ目は、初めて「期待を超えてこなかった」ということ。

こう言ってはお前は何様なんだというような上から目線になってしまうけれど、これまでずっと応援してきた中では現場の度に、そして単独現場が増えてからはその度に毎回良い意味で期待を裏切るようなワクワクが詰まっていた。

その中で初めて、この新体制になってから、初めて、「たしかにこうなるよね」と予想の範疇の結果だったのだ。

もちろんそれは全てがマイナスなわけではない。どうしても3人が入ることによってできなくなってしまったこともいくつかあって、それは単純なスキル的な問題によるもの、9人としての場数が足りないことによるもの、要因はいろいろあるが、そういった「今はできないこと」をきちんと見定め、この後も長く現場が続いて行く現状を見据えて「今できる最大限のこと」をしっかりと突き詰めていったのだということがひしひしと感じられた。さすがSnow Manだなと心から思った。

しかし結果として、手堅く収まることになったことには違いなく、増員ってこういうことかと現実を突きつけられたようだった。また、2年目の横浜アリーナ単独、6人でだったら、前年の秋の大きな個人仕事を経てきた6人が集まったら、どんなにすごいコンサートになっただろう…そんなことを思ってしまう自分もいた。

 

 

そして2つ目。これは佐久間くんが無理をしているように見えたこと。

増員発表直後くらいの各種雑誌でも阿部くんなどを筆頭に「佐久間は最近無理をしているんじゃないか」というコメントが見られたが、YouTubeを見ていても、そしてこの単独公演を見ていても、どことなくやはり無理をしているように感じられた。

大元は根暗でありながらも、次第に自分を変えていって今ではグループの元気印となっている彼だが、雑誌のコメントではなんとか9人で成功しなければならないと言い聞かせているようで、またやたらとくっついたり名前を挙げたりする姿からは新メンバーをグループにもファンにも早く馴染ませなきゃと急いでいるようで、いつも以上に気を張ってフルアクセルで突き進んでいるように見えた。

Snow Manの特攻隊長”とも言われるようになり、彼のその瞬発力や起爆力はグループにとって重要なものだが、どこか神風特攻隊のような自らの身を挺して突き進んでいっているような、そんな様子が窺えた。

良くも悪くもおバカな彼は、きっと自分が無理をしていることにも気づかないだろう。無理をしているなんていうのはオタクの過保護目線かもしれないが、近くにいる阿部くんがそう言うのなら、大なり小なりきっと無理をしているんだろうと私は思う。

私だってただのしがないオタクで、彼の人生のうちのほんんんんんんんんんの数%しか見ていない、彼のこともほんんんんんんんんんんんの数%しか知らないが、それでも5年も6年も見ていれば、少なくともステージ上での彼の変化には気づくことができるようになる。その主観的な感覚値でしかないが、やはり無理をしているように見えてしまって、そんな彼を見るのが自分が想像していたよりも苦しかった。

優しいからこその行動だとわかっていても、前に進むための行動だとわかっていても、乗り越えるべき試練だとわかっていても、自分が甘すぎるとわかっていても、5人に見守られながら自然に自由に振る舞う佐久間くんが好きで、見守ってくれる5人が好きだったからこそ、必死に切り込んでいく姿がしんどくて、そんなに背負い込まなくていいのにと思ってしまった。

いつか糸が切れた時に消えて無くなってしまうんじゃないか、そんな不安にも襲われた。

 

 

そこから1週間と経たずして、映画『少年たち』の公開。

2019年3月29〜31日に行われた各種舞台挨拶(と実演*4)。こんなことになるとは微塵にも予想だにしなかった約1年前に撮影された作品、劇中はもちろん6人で、このプロモーションも全て6人。

それは少し久しぶりの”6人”での現場だった。

 

私が参加したのは舞台挨拶の亀有・仙台・宇都宮。きっとこれが最後の6人だと思って行けるところは全て行くくらいの勢いで挑んだ。

亀有の初回は、本人たちも少し久々な空気に恥じらいがあったのか探り探りな部分もあったものの、一瞬にしてあの頃(といってもほんの数ヶ月前)の空気に戻った。

 

それから全4回参加して感じたことは、この上ない「安心感」と「安定感」。

舞台挨拶での佐久間くんは、間違いなくこれまで見てきた自然な明るさの佐久間くんだった。佐久間くんだけでなく6人全体の雰囲気としても、新体制になってから約2ヶ月感じ続けてきた違和感は全くなく、「あ〜〜〜〜これこれ!!!」となるものだった。

ここで1つ腑に落ちたことがあった。

 

それは、6人時代は「原点」であるということ。

 

新体制になってから、誰も意図していないかもしれないが、どうしても6人時代のことを否定されているような感覚があり、歌舞伎の継承やそのプロモーション関連の雑誌表紙掲載・地上波番組多数出演など、これまでの6人の功績が掴んだ栄光が、全て新体制になったことによる好待遇のように捉えられてしまっている感覚があり、(もちろんその悔しさを誰より感じているのはきっと6人だろうけど)どうしてもそれが解せなくて、何よりすごくすごく悔しかった。

そして本人たちが前を向いているからこそ、いつまでも6人に固執していてはいけない、そういう奴はいらないと各方面から非難されている場面も見受けられて、また6人を否定されているようですごく悲しかった。

彼ら自身も怖いくらいに前を向いていて、それが少し辛い部分もあった。

 

でも長い年月、特に多感な青春時代をずっと共に過ごしてきた彼らは、どう考えても根っこが同じで、一瞬にしてその頃に戻れるし、逆に人数が増えたからといってその関係性や信頼が失われることなんてあるはずがなかった。

佐久間くんだって気張らずにいれる場所がちゃんとあった。もちろん3人が入ることによって見え方が変わることや、これから変わっていく関係性もあれど、根っこの部分はきっとずっと変わらないのだろうと思った。

 

となれば、私も無理に6人時代のことを押し込める必要も、かといって下手に引きずる必要もどこにもないのだなと気付いた。

彼らも「長い青春時代」と称したように、あの時代は確かにあったものであり、いつでも立ち返ることのできる「原点」なのだと。それを心の中に持ち続けて、時折それを懐かしみながら、そしてそれを糧にしながら進んでいけばいいのだと解釈した。

たくさんのいろんな経験を積んで、その中できっと楽しいこと苦しいこと辛いことがたくさんあって、取り巻く環境がどんどん移り変わって時には闇に溺れそうになりながらも、一筋の光を信じて必死に努力して努力して6人で肩を組んで足並みそろえて突き進んできたあの濃い、濃い時代を、「青春時代」と綺麗に言い切ってしまうなんて、なんてずるくてどこまで強い人たちなんだろうと思いながら。

 

 

 

そうして1つ腑に落ちたところで迎えた2019年4月10日、滝沢歌舞伎ZERO新橋演舞場公演初日。

 

大筋は南座と変わっていないし、9人体制も既に横アリで見たため、そこまで何がどうこうということはなかった。

南座から新橋までの間も多くの仕事があり時間もなかった中でここまで持ってくる彼らは本当にすごいなと思った。

中盤戦に差し掛かっても中だるみすることなく、むしろリラックスして演技やアドリブに余裕を持って楽しんでいる姿が印象的で、これこそこれまで培ってきたことが為せる業だと思って嬉しくなった。

 

それでももちろん気になることはあったし、全てを諸手を挙げて喜ぶことができたわけではなかった。でも、やはりこの伝統ある作品を継承することができたこと、これまで何年も通い続けてきたこの新橋演舞場の最前列にSnow Manが立っていて、一番注目されていること、それがとにかく嬉しかったし月並みだけど本当にすごいことだと思った。

 

 

2019年5月5日、ふっか誕生日公演。

 

主演舞台でこんなに盛大にお祝いができる、なんてありがたく幸せなことなことなんだろうと思った。毎年恒例が、いろんな状況が変わった今年もきちんと”恒例”であったことが本当に嬉しかった。

特に印象的だったのは、ひかるのお手紙からのふっか挨拶、そしてそれを見守るメンバーたち。ひかるの心の底からの信頼が滲み出る深い深いメッセージと、これまでずっと大きなものを背負ってきたふっかが初めて吐いた弱音、胸が締め付けられて苦しくて苦しくて仕方なかったけど、ちょっと安心した部分もあった。

そして驚いたのが、そのふっかを見守る5人が涙を流すことなく優しく微笑んでいたこと。これまで、この歌舞伎でも、そのほか事あるごとに幾度となく涙を流してきた彼らが、泣いても全くおかしくないようなふっかのコメントを聞いているにも関わらず泣かないなんて…ちょっと信じられないくらいのことだった。ちょっと前だったら全員泣いていたに違いない。

だから、それだけ、強くなったんだなと思った。強くならざるを得なかったのかもしれないけど、本当に強くなったんだなと思った。

 

それからひかるの誕生日でも、千秋楽でも、涙を見せることはなく、最後まで楽しく笑顔で幕を閉じたのだった。並並ならぬプレッシャーがあったであろうこの状況下で、堂々とやり遂げた彼らは本当に強く、頼もしかった。

 

 

 

2019年5月25・26日、ジャニーズ Festival Island@SSA

歌舞伎千秋楽からわずか1週間、ほとんどリハの時間も取れなかったであろう中でのコンサート。内容は特別何か取り立てることはなかったが、OPからこれまでとの違いをひしひしと感じた。

 

これまでもJr.の合同公演は経験してきたが、OPがSnow Manから始まって、全員で出るところでセンターで…なんてことは今までならあり得なかった。今回はSixTONESがいなかったということもあったが、ついにこんな日が来たのか…と思った。

その昔、「Jr.のトップになる」なんて言ったこともあって(それに対しては殿に怒られたけど)、でもなかなか中心、トップになることができなくて。でも今はトップとはまた違うかもしれないけど、中心になって牽引していて、これまでよりもまたさらに次の、一歩先のステージに来れている気がした。

トータルだときっと恵まれていただろうけど、肝心な部分ではどちらかといえば不遇が続いていた彼ら。年功序列ではない、かといって本当の意味での実力主義でもない、綺麗事だけじゃ語れないこの世界*5でも、度を超える粘り強さと努力で変えられると証明してくれたような気がした。

 

 

 

あの1月17日からノンストップで駆け抜けた半年弱。SSAで現場の一区切りがついた後も、ロックアイスのCM、ドラマ決定、秋までの現場発表、各種番組への出演…初表紙のan・anの重版も決まり、快進撃が止まらない。

その度に「あの滝沢の舞台を継承した」「アクロバットに定評がある」などという枕詞が多用され、6人の努力が掴み取ったものや実力をさも9人のもののように語られているようで辛いと感じることも多々あった。でも今、着実に変わり始めている。それは紛れもない事実である。

 

そのほとんどは殿の恩恵であり、もしかしたら増員なんてしなくてもこうなっていたかもしれない、とさえ思うこともある。全て結果論で、そんなものは空想やそう思いたいだけのことかもしれないが、どうしてもそう、悔しく思ってしまう。

増員したことによってパフォーマンス面は例え一時的にだったとしてもどうしてもレベルが下がったし、「できることが増える」と本人たちはよく言っているけど、半年経過した現時点ではそれを感じる部分は正直ない。「かわいい面やフレッシュな面など新しい面を見せられる」とも言うが、これまでも他と比べてもかなり十分幅広くいろんなことにチャレンジし、いろんな表情を見せてきてくれた。とすれば、尚更増員した意味とは何か、わからなくなってしまう。

 

でも一歩引いて考えてみると、「6人が変わった」ということは1つ変化として挙げられる。(加入メンバーは未だ語れるほど知らないので割愛)

増員に際してよく「新しい風」というワードが用いられ、「新しい風」が「新しいものを持ち込んでくれる」という側面にばかりフォーカスされがちだが、本来はそれだけではない。 「新しい風」とは新しい力が増えるだけではなく、「その風が吹くことによって元いた場所の空気も変わる」ということ。こと今回においては「6人の意識を変える」ということ。これも新しい風を取り入れる一つの意義であり、おそらくこちらも相当重視されていたのではないかと思う。

オタクの贔屓目からすると、特に昨年の1年間で意識も何もかも大きく変わったし、十分次のステップに進める準備はできていたとも感じたが、もうひと越えほしかったのかもしれない。パフォーマンスとか、気合いとか、何かがダメなのではなくて、本当に、ただもうひと越えだけ、ほしかったのかもしれない。ほんのちょっとしたこの差の問題だったのかもしれない。ここまで来てもなお、というのはどこまで厳しく残酷なのだろうと思いつつも、奇しくも、Snow Manらしいかもしれない。

そして増員発表からわずか数時間にしてトレンド入り。長年連れ添ったグループに新メンバーが3人も、そして15歳が加入するという事実、これが起爆剤となった。Snow Manに何かが足りなかったとするのならば、この「きっかけ」であり、そのきっかけを跳ねさせるために「ほんのちょっとした意識と姿勢」を変えたかったのかもしれない。

 

確かに今は仕事の幅が広がり質も変わり、良い方向に向かっているように感じる。しかしその反面、一定数反発する層も必ずいる。それは「増員」という手法は諸刃の剣だからであり、致し方のないことだろう。この増員が本当に良かったのか、正解だったのかがわかるのはまだまだ先の話である。現時点では私にもそれはわからないし、良かったとも悪かったとも、正解とも不正解とも言えない。

でも1つ言えるのは、これから絶対に「正解」にしていかなければならないということ。

こうなってしまった今、どんなに願おうとも6人に戻ることだけはありえないし、それが良いことだとももはやわからない。でも増員に際して本人たちを含め多くの人々が苦しみ、いろんな壁を乗り越えてきたことは事実である。乗り越えられなくて離れてしまった人々がいることもまた事実である。少なからずこういった悲しい思いや苦しい思いの上に今が成り立っているのである。

とすれば、この思いたちが無駄にならないように、6人が下した大きな大きな決断が正しかったと言えるように、そういった方向に持っていくしかないのである。後戻りができないならば、もうそうする他ないのである。

全ては、大好きな6人に、どうしてもどうしても幸せになってほしいから。

 

 

恥ずかしながら半年経った今でも、6人以外のことを考える余裕はなく、未だに憤りを感じてしまうこともある。こんな姿勢は6人にとっても害になりうるだろうと思い、情けなくなることもある。

でも、今回の選択もきっと6人がファンのことを信頼してくれたからこそのものだと感じる部分もあり(自惚れだと言われても仕方ないが、客観的に見てもそうとれる節が多い)、であればちょっとくらい彼らの「待ってるから」という言葉に甘えさせてもらいながら、ゆっくり慣れていきたいと思う。決して時間は豊富にあるわけではなく、ずっと待ってもらえるわけでも、環境が待たせてくれるわけでもないかもしれない。だから慣れるのはゆっくりでも、この選択を正解にしていくための歩みだけは止めない。しばらくは時に心を欺きながら進んでいく場面が非常に多くなるだろう。そしてそれは想像以上に苦しいことかもしれない。やめてしまえばいい、普通そう思うことかもしれない。

 

でもどんな時も立ち返るは「どうしても幸せになってほしい」というシンプルな想い。

必ず果たすと誓った「涙で滲む約束」*6

そして、「大好き」という気持ち。

 

 

骨の髄まで彼らに魅了されたオタクは、今日もひたすらに彼らを愛し、誰になんと言われようと彼らの味方であり続けるのである。

 

 

 

 

 

 

*1:あのブログを読んで、きっと彼はまだ本当の挫折を知らず、見えている景色が違うことにも気づいてないのだろうと思った。これからそれに気づき、真の挫折を味わった時にどうなってしまうのかと、そこがいろんな意味で怖い。

*2:「6人」というのはもはや「概念」なのだろうか(?)

*3:ここだけは本当にふざけんなと思いましたごめんなさい

*4:映画と実演は〜4/7まで、アンコール上映4/15と行われた

*5:Boogie-Woogie Baby

*6:Snow Dream